季節を感じる眺めが嬉しい街外れの小さな酒場から
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10/07
信州丸茄子蒸し
 丸茄子はその名ととおり丸いので皮に対して身の割合が多い。ふっくら蒸すと身の甘味と皮の風味がバランスよく味わえる。
 蒸すと言っても少量なら、わざわざ蒸し器を用意するまでもなくフライパンで充分。

 先ずは茄子のヘタを取り縦に十等分くらいの櫛型に切る。フライパンに大匙一杯強の水を入れ、茄子を並べて蓋をする。後は強火で一分、火を弱めて二分くらい加熱すれば出来上がり。鍋でもよいがフライパンなら底が広く材料も均一に並ぶので加熱にムラがない。

 茄子に限らずブロッコリーやカリフラワーなどなど、このやり方ならお手軽だし、茹でるより味が抜けないので野菜にもコクが出る。

 ここでは味付けにタレを用意した。太白胡麻油に醤油と酢、少量の砂糖と青葱、胡麻、鷹の爪を刻んで生姜のすりおろしも加えて混ぜておく。それとも酢醤油や生姜醤油であっさり頂くのもよいでしょう。
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10/05
山葵派?生姜派?
 刺身にはワサビが付き物だが、さあどんなワサビが合うかというとあまり思いをはせる機会がないのが普通。まあ居酒屋なら昔は粉わさびが当然で、良くてチューブ、本わさびなら高く付いて値段が合わない。

 確かに以前は高価な本わさびの代用品、すなわち粉わさびだったが、これが意外と悪くない事もある。
 本わさびの代用品、原材料には大概西洋わさびとある。ちなみにホースラディッシュだが、西洋なら肉料理に良く使われる物。ローストビーフにはよく添えてある。本わさびの様な清涼な香りはないが辛味は結構強い。
 そのおかげか脂の強い魚との相性は捨て難い。中トロやブリなんかはこちらの方がずっと旨いと思う。じゃあ濃い味に合うかというと甘海老の濃厚さには甲殻類特有の臭みがあるので断然本わさびが良い。貝類は脂が少ないので香りのよいわさびをホンの少し、駄目な寿司屋はネタに合わせてわさびを加減しないので大抵貝の握りはわさびが効き過ぎている。
 ところで西洋わさびも流通の事情で、代用品にされる割には現物が意外と高価だ。そんな訳でよく脂の乗ったブリには辛味大根をお薦めしたいのだが、これも最近は栽培物で辛味に欠ける。辛い大根を選んで水分が出ないように鬼下ろしで摺って添えるのが現状ではよいかもしれない。
 さて流通の幸せな所は色んな魚を刺し盛りで頂ける贅沢なとこだが、食べ方も一緒くたにされるリスクがある。とりあえずわさび、ついでに生姜が添えられるのだが「わさび好き」なら何でもわさびになってしまう。好みを否定する気はないが、どうしても「わさび」が食べたいがための刺身になってしまうことは否めない。かく言う自分も芥子が食べたくてシュウマイを頂いたりするのだが。

 それにしても秋刀魚や鰯はやっぱり生姜が相性がよい、しかもこれは掛け醤油がよい。つまり小皿の醤油に付けるのではなく、生姜と適量の醤油をまぶして頂くのがずっと旨い。これは青魚特有の脂の臭みに適した食べ方でもある。同じ青魚の鯵でも関鯵になるとわさびがよい、これはやはり脂の質が変わるからだと思う。
 生姜なら豆腐に乗るのも定番だが今時の豆腐は大豆の青臭さが薄いので生姜が強く感じられる事がよくある。となると好みの出番、少量のわさびの香りで頂くのも悪くない。これが同じ豆乳の湯葉ならどうだろう。良く出来た湯葉の、大豆の濃厚さには断然生姜がよい。生姜の香りが臭みを押さえ、辛味が甘味を引き立てる。

 それにしても臭みと言ってみたが今時いろんな物がよく出来ていて臭みの意識は薄いのかもしれない。それにともないアクのない、それが支える腰のない食べ物が増えている。その上でどっちというお話しは好みを否定しかねないが、先ずは役割りと言う物を認識して頂きたい。その先に好みという物があるのだが。
 相性を認識した上で自由な好みに到達することにやぶさかではない。しかし先ずは相手をちゃんと見てあげることで食事を楽しんで頂きたいと思う。
 そんなおせっかいをこの場を借りてやかして頂きます。


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