季節を感じる眺めが嬉しい街外れの小さな酒場から
03 * 2009/04 * 05
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
04/21
美味しいけど売れまへんて物
s-IMG_1308.jpg

 豚の喉笛軟骨です。あんまピンとこないでしょ。
たぶんホルモン焼屋さんとかなら食指が動くかもしれんが、普通の店だと馴染みがなくて頼みづらいかもね。軟骨が多くて「軟骨の王様」とも呼ばれ炒めてコリコリ感を楽しむのもよいけど、周りの身肉はゼラチン質が多く煮込んでもしっとりして美味しいんで圧力鍋で煮込んでみました。
s-IMG_1495.jpg
 煮上がったら昆布出汁と蓮根で醤油味のスープ煮に。モツ系の臭みが多少あるんで玉葱、大蒜、生姜、セロリなどの香味野菜も少々加えます。蓮根と豚肉で充分スープに味が出るんで調味は控えめに。

 まあこの手の物は大概売り切れないんで残ったら我が家の御飯となります。
そんな時いつも思い出すのはある料理番組の「負けシェフの晩餐」のコーナー。
料理対決の後、選ばれなかった側のシェフが自身の料理を食べながら「美味いんだけどな~」と呟くのですが、正にそんな気分で。

 でも食べたいもんしか作らないんで自分の分が残るのはちょっと嬉しい。あんまり残るとちょっと悲しい。ちょうどよく売れるなんてのはちょっと虫がいい。
 以前関西のお店で「これ美味いんやけどあんま売れへんで、ちょっと食べてえや」
と売り込んでる人がいたが、私はまだ勧め方が上手くない。

 ところで肉をしっとり軟らかく煮るには出し汁に工夫がいる。今回のようにゼラチン質が豊富な肉なら昆布出し汁で大丈夫だが、そうでない場合は出し汁側にゼラチン質が溶け込んだブイヨンなどがあるといい。このゼラチン質が煮込んだ肉の繊維の食感がボソボソするのを防いでくれる。
 鶏ガラスープがあればいいが市販の顆粒ブイヨンでは意味が無いので、最初からスネ肉などゼラチン質の多い肉を選ぶのが無難。でなければ煮汁を少なくして蒸し煮にするのも一つの手段だ。
 料理の理(ことわり)には明文化されてないことがまだまだ多いいが、伝統的な各国の料理はちゃんと理の中で進化していて思い付きの創作では到底太刀打ち出来ないものがある。
 だからこそセオリーの上に、自分を積み重ねる楽しみもあるのです。
スポンサーサイト
04/19
花わさびの醤油漬け
s-IMG_1494.jpg

年一のお楽しみ、花わさびです。
うちは醤油漬けにして和え物なんかに使ってます。作り方は色んなとこで紹介されてるんで省略。
写真は鶏の笹身を霜降りしたものと大葉と貝割菜とで和えてます。

 花わさびは嵩の割りにいい値段がするんで安くなる時期終わりに作るんですが、おかげですぐなくなります。葉わさびの方が安価なんだがこちらはあまり見かけないのよね。
どちらもわさびの辛味がありつつお浸し感覚で食べれるんで今のうちに自作してみて下さい。


 ところで山わさびって知ってます?西洋わさび、ホースラディッシュ、レフォールとも言われてローストビーフなんかによく添えてあるやつ。よく粉わさびやチューブのわさびに増量目的で入ってるんだが単品ではあまり見かけません。この山わさび、辛味が強く別趣の香りがあり中々美味いんです。
 辛味が強い分、脂の乗った肉や魚に結構相性がよい。大概刺身には普通のわさびが付くが、物によっては香りが邪魔に感じることがある。脂の乗ったブリや鮪のトロなんかには山わさびが結構合うと思うのだが手に入りにくいのが難点。北海道では普通に売られているらしく羨ましい限り、是非こちらでも販売して欲しいもんです。
 もし北海道に行かれる方がいればお土産に宜しくお願いしまする。
04/18
小さな花壇
s-IMG_1487.jpg

 冬に植えたチューリップが咲きました。
ただし昼間は開いている花も夜には閉じてしまう、残念っ。

 ちなみにこのビルの花壇はみんな大家さんの管轄で、チューリップの時だけこっそり間借りさせて頂いてます。ありがとうございます。
 この花壇、うちの店から見える範囲ですが一応四季を通じて花がある。次はツツジでその後はアジサイが控えている。でも手入れはされてるようだがあまり見せようという欲がない花壇だ。並びの室外機の移動で追いやられたりしてるし。でもまあ虚栄心が見栄見栄の花壇よりそんなぬるさがうちとしては丁度いい。

 このビルは中々面白い構造で結構気に入ってる。下からだと分からないが二階に上がると吹き抜けた広間があり囲むように幾つかの店がある。隅の方には鉢植えが雑把に並んでいて道路沿いには花壇がある。この花壇に向けて店舗の窓があって、そこには軒がある。軒のおかげで窓に直接雨が当たらず、梅雨時でも風通しを楽しめる。一見なんでもない地味な設えだが探して見つかるもんでもないだろう。

 私の経験上、生き物を育てる大家さんは店子には居心地がいい。建物も育てるものとして見てくれているからだ。反対に建物を不動産物件としてしか見れない方は規律上の管理しかせず返ってトラブルが多い。あるいは建物を見ていないからトラブルに至ってしまうのかもしれない。

 この街も随分物件が増えた。ただもし不動産契約だけの育てない物件なら殺風景な街になりかねない。
 どうにしろ目まぐるしく街が変わる最近、未だ此処の時間はゆっくりと流れている。それ故に見つかりにくい場所でもあるのだ。
s-IMG_1472.jpg




04/09
帆立貝~コライユ食べたし~
s-IMG_1365.jpg

 コライユとは帆立の生殖巣の部分で写真の赤いとこ(オスは白)です。
これが春先の排卵期になると肥大して食べ応えもたっぷり、濃厚で美味です。

 活きのいいのが手に入ったらそこを含め色んな部位も楽しめます。
作り方は殻から外し貝柱、ヒモ、コライユ、ウロ(黒い部分)に分けます。
ヒモはもみしごいて汚れとヌメリを取ります。
それらを鍋に入れひたひたに水を張り火にかけて弱火で加熱しながら手を入れてゆっくりかき混ぜます。
熱めの風呂ぐらいになったら貝柱とヒモを順に取り出し水で冷まします。
鍋は更に火にかけ80度くらいになったらコライユを取り出し、更に沸騰前にウロも取り出しどちらも水で冷まします。

 貝柱は中身は生のままの甘味があり尚且つ表面が締まり食感が良くなります。
ヒモも低温加熱で甘味が増し、しゃっきりした歯応えになります。
コライユやウロは生だと食感が悪いしウイルスの危険もあるので少し高温加熱になります。

 ちなみにウロは貝毒の危険があるため特に春から秋は避けた方が無難とされます。
ただしこれはアサリやらの他の二枚貝にも言えることですし、産地では出荷に貝毒監視がされているので信頼出来る筋からの入荷ならまず大丈夫だと思われます。(でないと潮干狩りの時期のアサリは食べれない)
 が、心配な方は無理しないように。自分で取ったり海外で食す場合は特に止めときましょう。
実際この部分を付けるかどうか業者や店により判断はだいぶ異なりますね。
 貝毒はツブ貝なんかも有名でこれの毒性は弱いですがあまりツブ貝を大量に食べないことを勧めます

 さてさて、帆立のウロですがそれ自体が美味いというより、煮物にしたり炊き込みにしたときの味の出が全然違うのよね~。
 まあでもそろそろ水温が高くなるのでまた次の冬まで自粛しようかな。

 コライユはまだ大きいので今のうちにどうぞ。

 それと貝柱の切り方は加熱するなら横に、刺身なら縦に切った方が食感がよくなります。見映えのためか刺身でも横に切る店が多いけど…
 今度気にして食べ比べてみましょう。

 

04/05
美田山廃にごりで山廃ロック
s-IMG_1371.jpg
 去年好評だった美田、やっと入荷しました。
実はもうとっくに発売されてたんだが入荷し忘れてたんです、申し訳なしこです。
たぶん五月ごろまではあると思います。

 この美田は粗めに漉してあってしっかりにごりなのにドロドロ感はあまりない。
酸はしっかりしていてキレがよく、尚且つ山廃純米なのでしっかり味はある。
味があって伸びがよいので多少薄めてもイケる。つまりオンザロックが美味いです。

 なんですがこの山廃ロック、誰も試してくれません。
 まあ勧め方もむずかしくて日本酒を飲みたい方には邪道視されそうだし、サワー系に行きたい方には果実味や甘さが足りない。
 でもこのポジションを手に入れると次に何を飲もうか考えるときの選択肢がきっと広がります。

 ただ一つ残念なことが…これのロックはきっともう少し暖かくなった方が合うと思うのですが、その頃には終売になってます。だからってうちもストックスペースがないし、なんせにごりは脱気のためにキャップに穴が開いてるので冷蔵庫の隙間に寝かせての保存が出来ないのです。
 なので今のうちにお試し下さいませ。ではでは。
04/03
桜日和 
s-IMG_1321.jpg


 ようやく花壇にも緑が戻り、向かいの学園の桜も咲き始めました。
ここは二階なんで目の高さで桜が見られるし、まだ花冷えの頃なんで夜桜はここから一杯飲りながらでいかがでしょう。
 もちろんライトアップなんてありませぬ。 
でもだいぶ日が延びたんで開店時間にはまだ明るく、日没の逆光に照らされた桜が見えるし日が落ちれば商店の明かりでしばらくはぼんやりと照らされた花が浮かんでいる。
いずれ商店の明かりも落ちて街灯に照らされるだけになるがそれもまたいい感じです。

 そうやってこの窓からは外気や時間が眺められるとこが好き。
もちろんそれを楽しむためのちょっとした工夫があります。自然に外を眺められるように余計なものが窓に映りこまず、尚且つ必要な明るさ。つまり照度です。
 意識して比べると分かるが明るくすれば体内時計が狂うし、暗くすれば五感を鈍らせる。それぞれのお店がそこのコンセプトに基づいて照明でも演出してるのです。
 ちなみに食事中心のとこは明るくして何時でも食欲を煽るように、飲みのとこは暗くしムーディにして財布の紐を緩ませるなんて効用もあります。

 うちの場合は夜の街との照度差を少なくして帰り道にすっと馴染むようにしてます。だからついでに窓の外も見やすい訳です。
 そもそも私、都心で飲んでの帰り道が苦手。せっかくの酔い心地が意外に混雑する下り電車と蛍光灯で醒めてしまうからで、出来れば飲んでの帰り道は徐々に消灯で着陸したいもんです。やはり作業の灯りと暮らしの灯りは分けたいもんです。
s-IMG_1362.jpg
 ところでもう一つ、お店の内装で本来窓のあるところを造作で壁にしてしまうところが結構多い。設計上窓の存在はコントロールが難しくて無くしてしまう方が楽なんだと思います。それにどこも今は空調完備で窓を温度調節に使う店なんて先ず無いしね。(保健所の指導でも窓は開けないことになってます)
 更に最近の住宅も窓は最小限に小さくしてるとこが多く密閉性が重視されるようで、窓を開け放つ生活はもうオールドウエーブなようです。
 うちの前に新しく建ったコーポももう入居者がいるはずなのに、みんな雨戸シャッターを閉めたまま。壁に仕切られた箱の中だけがみんなの住まいなんだね。
 私は箱の中だけではきっと息が詰まってしまう。なので窓や玄関の外も含め街が住まいだと思い込んでる。おかげで部屋は小さいけれど私は元気です。
Copyright © 2005 見つかりにくい店 menehune(メネフネ).
all rights reserved.