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名前に無頓着です |

ホルモン炒めが普及したのは「こてっちゃん」ってネーミングがCMで頑張ってかなり当たったからで、これが牛の大腸炒めと言われたら普及率も低かったろう。
以前勤めていたフランス田舎料理の店では当時では珍しいアバ料理(内臓料理)があり、フロマージュドテット(豚の頭肉のゼリー寄せ)やブータンノワール(豚の血のソーセージ)なんかもあったが全然売れなくて、コースに組み込んだら
「フランス料理食べに来たのに何を食わせるんだ」と怒られたりしたもんね。
今なら通には堪らない料理で都心のレストランでもメニューに載せているとこも少なくないのに。
流行りやネーミングで受け入れ方は随分変わるようだが、どうも自分は名付けが苦手。
馬肉を桜肉と言うような風流もなければ海の幸にマーメイドのなんちゃらとか付けるポエミーさもない。
一方で世の中的には呼び名で軽くして色んなことに風通しを良くしてるようで。中年はアラフォーで若作りはアンチエイジング、婚活やらフリーターやら、出来ちゃった婚もとうとうおめでた婚に格上げで、もう何でもありである。
でも行き遅れでその日暮らしで年齢不詳で中年で、そんな言葉のネガティブな力で頑張ったりするのは古いやり方なんかなあ。
さておき写真は「皮付き豚ばら肉のキノコ添え 蕗の薹風味」
バラ肉は塊りで蒸し煮にしてから食べやすい大きさに切り皿に盛る。キノコは炒めて豚の煮汁を足し、蕗の薹の佃煮も加えて煮詰めて肉にかけ、香草代わりにワサビ菜を添えました。
皮にはゼラチン質が多いせいかバラ肉の脂っこさが気にならないし肉質もしっとりするようで、一度こうして作ると皮なしが随分難しい料理に感じてしまう。つまり皮が付いてると簡単に煮るだけで上手に美味しくなってしまう。
ところがこれも皮ってのがゲテモノっぽいのかどうも頼まれづらいようで売れ行きが悪い。
豚耳は日和ってミミガーに名変したら出るようになったが、そんな嘘にならない上手いネーミングがあればいいが思いつかない。
どうやら皮付きで充分食指が動く中年オヤジの自分には名付けの神が宿らないらしい。
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